スリープマスターが伝授する「羽毛ふとん選びのポイント」

冬の上質な眠りに欠かせない羽毛ふとん。

様々な種類があり、どう選べばいいか分からない、とお悩みの方も多いのでは?

今回のコラムは、羽毛ふとんの選び方のポイントをご紹介します。

 

羽毛ふとんの特長

羽毛ふとんは、詰めものに「ダウン」を50%以上使用したふとんのことです。「ダウン」が50%未満のものは「羽根ふとん」として区別されます。

「ダウン」とは、グース(ガチョウ)やダック(アヒル)などの水鳥の胸のあたりに生えている、ふわふわした綿羽のことです。一羽のグースからは1020g程度しかとれません。

羽根軸がなく、たんぽぽのような形の「ダウンボール」は、保温性に大変優れ、汗などの湿気を吸って拡散する特性もあるため、「ダウン」をたくさん使った羽毛ふとんは保温性だけでなく、ふとん内の湿度も調整します。

耐久性にも優れ長期間使用でき、吸放湿性が高いのでお手入れも簡単です。

 

羽毛ふとん選びの7つのポイント
1.ダウンとスモールフェザーの混合率

ダウンの割合が多いほど〇

一般的に羽毛ふとんは、「ダウン(綿羽)」と「スモールフェザー(小羽根)」を混合したものが使われます。ダウンの割合が多いほど保温性と調湿性に優れています。スモールフェザーは、ダウンと混合することで弾力性を発揮します。

 

2.羽毛の種類と産地

体が大きく、寒冷地の水鳥の羽毛ほど保温力が高い

鳥の体が大きいほどダウンボールも大きく、空気をつかむ力があり、膨らむ(=かさ高がある)ことであたたかさが向上します。ダック(アヒル)、グース(ガチョウ)、マザーグース(親鳥)の順に体が大きくなり、特に、45年飼育されたマザーグースは上質です。

また、寒い地域で育った水鳥ほど、保温性・かさ高性に優れた羽毛が採れます。

最も希少価値の高いダウンは、北極地方のアイスランドやグリーンランドの海岸のみに生息するアイダーダックで、素晴らしい保温力を発揮します。

 

3.羽毛の量とかさ高

ふんわりと空気をたっぷり含むとあたたかい

一般的に、羽毛ふとんの中に入っている羽毛の重さはシングルサイズで1.01.2kg。羽毛ふとんのあたたかさは、ため込む空気の量で左右されます。同じ重さでも、羽毛が備えているかさ高性(ダウンパワー)が優れているほど、ふんわりとやわらかく、保温性に優れています。

また、戸建てや集合住宅など、住宅環境によって室内の暖かさは異なるので、ご自宅の室温に合わせて羽毛ふとんのボリュームを選ぶことをおすすめします。

 

4.羽毛を区切るキルト

片寄らない工夫がされたキルト縫製を選ぶ

いくつものマス目に区切った羽毛ふとんのキルト縫製は、その縫製方法によっては使っている間にマスからマスへ羽毛が移動します。それによって羽毛に片寄りが出てくると、特に首周りの羽毛が少なくなるため、保温性がなくなってしまいます。羽毛が片寄らない工夫がされたキルティングかどうかも選ぶポイントです。

 

5.羽毛を包む側生地

体にフィットする生地であたたかさを逃さない

生地の種類によっては羽毛ふとんと体との間に隙間ができやすく保温力が低下するため、より体にフィットする生地を選ぶことが大切です。羽毛が吹き出さないよう高密度に織られ、羽毛のふくらみを邪魔せず、体にフィットするやわらかな風合いの素材が適しています。超長綿やリヨセル(テンセル)などがおすすめです。

 

・かたい生地…羽毛ふとんと体との間に隙間ができやすく、ふとんの中の温まった空気が逃げる

・やわらかい生地…体にフィットして、ふとんと体の隙間が少なく、熱を逃さない

 

6.衛生面

きれいな羽毛のふとんは気持ちいい

動物性素材である羽毛の原毛は、ニオイの元となる油脂分を含み、ゴミや不純物も残っています。そのため、水と洗剤で丁寧に洗浄し、汚れを落としつつ、羽毛の耐久性に影響しない程度に油脂を取り除きます。

洗浄後の排水がきれいになるまですすぎを繰り返し、脱水後は高温で乾燥・殺菌。さらに、羽毛の選別行程でも微細な不純物を取り除き、きれいな羽毛に仕上げます。この徹底した洗浄衛生処理が羽毛ふとんの使い心地を左右します。

 

7.品質表示とトレーサビリティ

安心して選ぶ基準

品質表示は寝具メーカーにとって責任と信頼の証です。品質表示タグには、ダウン混合率、重量、側生地素材などが明記されていますので確認してください。

また、羽毛ふとんのトレーサビリティを管理しているかどうかも選ぶ基準となります。

 

室温に合わせた寝具の組み合わせ

日本睡眠科学研究所による実験では、快眠のための理想的な寝床内環境(ふとんの中の温度と湿度)は、温度33±1℃、湿度50±5%(※RH)であることがわかっています。この状態を目指すには、室温に合わせて寝具を組み合わせることが近道です。

室温20℃前後は0.71.0kgの羽毛掛けふとんまたは真綿掛けふとんを1枚、15℃前後の時は1.01.2kgの羽毛掛けふとんを1枚、10℃前後では羽毛掛けふとんの内側に毛布や真綿掛けふとんをかけることで、ふとんの中の温度を理想的な温度に保つことができます。

 

(資料提供:西川株式会社)

羽毛布団324564_m