2代目が創案した萌黄蚊帳 ~箱根越えの「夢の啓示」~

  2代目甚五が箱根越えをしていた折、疲れきった体を休めようと木陰に身を横たえた。その時、緑色のつたかずらが一面に広がる野原にいる夢を見る。つたかずらの若葉の色が目に映えて、まるで仙境にいるようだったという。「涼味あふれる緑に囲まれたシーンを目にすれば、蚊帳の中にいる人の気持ちを和ませ、爽快な気持ちにさせるであろう」と考え、このイメージを蚊帳に再現。萌黄色に染められ、紅色の縁取りを施されて、登場したのである。この近江蚊帳誕生のエピソードは、近江の歴史を語るいくつかの資料に記載され、語り継がれている。

(2016年1月西川文化財団発行「西川450年史」より)