近江八幡市立近江八幡図書館の前身、八幡文庫は明治37(1904)年に設置されました。
八幡文庫は、青年たちの読書に対する関心の強化や「品位を高尚ならしむる」役割のほか、(利用者の)職業上の調査研究の役割が想定されていました。
明治44年の文庫利用者は、「官吏(=公務員)」が一番多く182人で、次に「実業(家)」が82人、ほか「教員」が70人、「学生」65人、「僧侶」が28人と続きます。
蔵書は明治42年段階で5900冊あり、歴史書が1351冊で最も多く、ほか文学書や法律関係書が配架されていました。蔵書のうち、21.9%が寄贈書でした。
寄贈者は、蒲生郡長で滋賀県師範学校長の遠藤宗義氏や、八幡町出身で東京帝室博物館(現在の東京国立博物館)学芸部長の野間清六氏などといった文化・教育関係者のほか、11代目西川甚五郎も名を連ねていました。
11代目西川甚五郎は、八幡町だけでなく、明治34年に移転してきた滋賀県立商業学校(現在の八幡商業高等学校)にも図書47部(1563冊)と、図書購入費として500円を寄付したと伝わります。八幡商業高等学校の同窓会館の書庫には「西川文庫」と称された11代目西川甚五郎寄贈の図書が大切に保存されています。
(平成24年3月近江八幡市発行『近江八幡の歴史』第5巻、平成31年3月近江八幡市発行『近江八幡の歴史』第8巻より)